前回の記事の内容はいかがでしたか?
検証されましたでしょうか。
なんとなく合ってるような合ってないような…。
そんな感じがあれば手応えあったと思ってください。
大丈夫。
では今日は前回の記事を発展させましょう。
市場心理について考える。
よく聞く言葉ですよね。
でも、それって勝手に思い込んでる想像では?
わたしはずっとそう思っていました。
実際、そういう思い込みとしての市場心理解説は多いです。
というか、わたしが納得している市場心理解説は、少なくともわたしは見たことも聞いたこともありません。
では前回の内容から。
V字になったら切る
これが1つの聖杯でしたね。
その後の順当な動きとして、 下の2つのパターンが考えられます。
左は特殊なケースなので、ここでは割愛します。
通常は右のケースになります。
これは、いわゆる「三尊」ですよね。
だから教科書にも三尊が出たら云々と書かれているわけです。
(ダウ理論をしっかり理解した上でないと、三尊を使えと言われて使えるものではない)
ではこの三尊をモデルに、市場心理を考えていきましょう。
まず前提として、マーケットメイカーは間違いなく存在しています。
市場はランダムでもなんでもありません。
彼らのシナリオに沿って、市場は動かされています。
だからこそ、このモデルを考えることがとても重要になってきます。
わたしたちが「切る」と見ているラインは、彼らにとっては「切らせる」ラインです。
そんなのは彼らは新人の頃に叩き込まれていますから、このラインを割るということの重要性をわたしたちはしっかり受け止める必要があります。
もしラインを割ったとしたら、それは間違いなく「意図的」ということです。
意図的にラインを割るには2つのエネルギーを彼らは掛けています。
1つは、それまでの利確。
もう1つは、「仕掛け」です。
この図ではこの「仕掛け」のことを「市場のエサ」と書いています。
昔、近所のおじさんに連れて行ってもらって、アジ釣りに行ったことがあります。
小舟にのって、ポイントでなんかオキアミみたいなものをまずばらまくんですね。
そうすると、アジがたくさん寄ってくる。
そこに、同じオキアミみたいなものを入れた釣りの仕掛けを垂らすと、フリーなオキアミと釣り針が仕掛けられているオキアミの区別はつきませんから、間違ってアジが掛かってしまうという流れです。
それと全く一緒。
ラインを割ると、市場参加者は「切ろう!」「反転だ!」と思って、各人がアクションを起こし始めます。
それは彼らからすると、アクションを起こさせるための「仕掛け」でしかありません。
しかし、懐疑的な市場参加者や保守的な市場参加者は、まだアクションを起こしません。
それでいいんです。
次に、彼らが今支払ったエネルギーの回収に転じます。
(利確なのかただの仕掛けなのかは、その大きさや時間の長さから推し量れます。それによって、今彼らが見ている時間軸も見えてきます。彼らはあらゆる時間軸を駆使しています。)
彼らは1文たりとも損をすることはしない主義です。
それがチャートが上下しながら動く理由です。
仕掛けた分(図でいう紫色のライン)をまんま回収します。
回収が終わったら、そこからが本来の目的にフェーズが移ります。
本格的に資金投入していくということです。
それが前回の記事の「入る」形として表現されるということです。
(あくまで基本中の基本として書いたものですので、もちろんここはもっと早く入るためのフィルターとかがあります)
では実際のチャートにあたって考えてみましょうか。
今日現在のポンド円1Hチャートです。
(短期足ほど読み取るのが難しくなります。それがスインガーたちがスイングの方がダマシが少ないから取りやすいと主張する理由です)
この解説でとても重要なことを書きますので、さらっと流さないようにしてください。
ラインを割ったあと、逆行しています。
これが回収フェーズです。
ここで読み取れるのは、
「ははーん、なるほど、彼らはここから仕掛けたのか」
ということです。
そして、その後本格的仕掛けフェーズに転じます。
ここにきて、懐疑的な市場参加者や保守的な市場参加者も、ポジションを取り始めます(または損切)。
だからここまで市場が動いたわけです。
ここでわたしたちが見ておくべきなのは、回収フェーズがどこまで逆行したのか、です。
なぜでしょうか。
それは、回収フェーズ=最初に仕掛けたエネルギー(等価)だからです。
つまり、回収フェーズを理解すると、「あーここから彼らは仕掛けたのか」ということが読み取れてしまうということです。
(このチャートでどこから彼らが仕掛けたのか考えてみましょう)
更にいうと、この回収フェーズから、最初の仕掛けが特定できますから、その最初の仕掛けの勢いみたいなものを読み取る経験を重ねていくうちに、それがたしかに仕掛けだと思えるのか、それともこれは仕掛けとは言えない感じだ、といった感覚がそのうち分かってきます。
また、彼らはどのラインを割りたかったのか、といった、彼らの目線も読み取れるようになります。そうすると、彼らがどういった時間足で今この瞬間マーケットメイクしているのかといったことも読み取れるようになります。
そうなると、今ポジションを取るべきかどうかといったことも分かってくるようになりますし、どの時間足でチャートを見るべきか(時間足チャートは別に変えなくても、そういった目線でチャートを観察する)なども分かってきます。
だからこの回収フェーズの意味を知ることはとても重要なんです。
これこそが、彼らの行動原則ということです。
チャートには良くも悪くも全てが表現されてしまいます。
一種のデジタルタトゥーとも言えます。
だから、いくら彼らが隠密に水面下で分からないように悟られないように行動したところで、チャートにはその痕跡が現れるのです。
彼らの行動原則を最初は意味が分からなくても、ずっと追いかけているうちに、だんだんとその波動というか、感覚が分かってきます。
そうすると、トレードへの恐怖心は微塵も無くなります。
え?でもそれって後付けじゃん。
はい。
後付けでいいんです。
わたしたちはそんなに早くポジションを取ることはできません。
取れたらそれは本当のギャンブルです。
通常、わたしたちは、前回の図のとおり、かなり遅くにポジションを取ることになります。
後付けで分かったとしても、十分に間に合うんです。
以上です。
これが市場心理・・・というかマーケットメイカーの行動原理、ということです。
これが分かっているのと分かっていないのとでは、まったくメンタル状態が異なります。
そして、わたしたちがいわゆる環境認識をするときにも、今この時間足では彼らはどういうフェーズにあるのだろうか?ということまで推測しながら、各時間足の現在値の意味というものを考える必要があります。
面倒くさいでしょう?
面倒くさいから、なるだけ人はやりたがらない。
そこにこそ、ブルーオーシャンが広がっています。
みなさんはレッドオーシャンで息の詰まった苦しいトレードをするか、ブルーオーションで伸び伸びとトレードするか、どっちがお好みでしょうか。
今日のお話もぜひ騙されたと思って、検証してみてください。
面倒くさいです。
でも面倒くさいところにブルーオーシャンはあるんだという希望を胸に抱き、モチベーションを高く保って、ぜひ大海原に漕ぎ出してみてください。
ではまたね。
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